締め切りに追われる小説家、原稿に赤を入れる校正者、音のない世界で針を動かす刺繍作家――。
創作する人が主人公のBLは、仕事へのこだわりや才能への葛藤がそのまま恋の障害やきっかけになるのが魅力です。
作家と編集者の丁々発止のやりとりに笑える作品から、互いの作品を通して心を通わせる静かな物語まで、仕事の描写を楽しみたい方に読んでほしい作品を集めました。
こんな人におすすめ
- 作家と編集者など、仕事でぶつかり合う二人の恋を読みたい方
- 創作へのこだわりや葛藤が丁寧に描かれた物語が好きな方
- お仕事BLで、相手の才能に惚れ込む瞬間にときめきたい方
小説家と、編集者・校正者
色悪作家と校正者の別れ話 (菅野彰)
ポイント 傲慢な小説家と頑固な校正者。痴話喧嘩が楽しい人気シリーズ
「あなたとお別れしたく存じます」。喧嘩をしながらも付き合いは順調だったはずなのに、校正者の正祐の口からこぼれ出た別れの言葉。その真意とは――? 傲慢な小説家・東堂大吾と、頑固な校正者・塔野正祐の人気シリーズ第5弾。「別れ話」「同棲」と書き下ろしの「朝顔」を収録しています。
基本情報
| 著者 | 菅野彰 |
|---|---|
| 発売日 | 2021/08/01 |
| ページ数 | 265ページ |
| 評価 | 4.7 |
| スコア | 89 |
口コミ
- 別れ話を切り出した正祐の理由と、その解決策に大笑いしたという声が多くありました。痴話喧嘩に巻き込まれる先輩の篠田が不憫で面白いと評判です。
- ひとりで生きていくと思っていた正祐が、少しずつ情緒を育てていく姿に成長を感じるという感想が目立ちました。作中に登場する文学作品や、居酒屋・鳥八の料理とお酒も魅力です。
- 文学や歴史の蘊蓄が多く、登場人物の言いたいことがつかみにくい、難しいという声がありました。
- シリーズものなので、1作目から読むのがおすすめです。
マッチングしたら嫌いな担当編集がきた (切江真琴)
ポイント 企画を突き返してくる担当編集と、マッチングアプリで鉢合わせ
人気ラブコメ作家なのに、新作は売れ筋で書かせてもらえない――「先生のラブコメはもう限界ですよね?」と、新担当編集・三室に企画を突き返され続ける小説家の春一。きっとこいつは俺の作品が嫌いなんだ。不満がたまった春一は、マッチングアプリで見つけた自分のファンと会うことに。作品を絶賛する言葉を直接聞きたい――ところが目の前に現れたのは、まさかの三室で……。
基本情報
| 著者 | 切江真琴 |
|---|---|
| 発売日 | 2026/05/01 |
| ページ数 | 279ページ |
| 評価 | 4.8 |
| スコア | 83 |
口コミ
- 嫌われていると思っていた担当が、実は誰よりも作品を愛していたとわかる展開が楽しいと評判です。作家と編集者の仕事の裏側や、創作の悩みが丁寧に描かれています。
- 笑いと切なさのバランスがよく、基本的に明るい受けなのでストレスなく読めます。
- 読むのに時間がかかった、何かが足りないと感じたという声がありました。受けのトラウマの元となった元恋人が登場しないなど、肩透かしに感じる部分もあります。
へたくそ王子と深海魚 (川琴ゆい華)
ポイント 編集者が、バーで出会った年下イケメンに「このヘタクソ!」
癒しを求めて訪れたバーで、好みの年下イケメン・恒生と出会った編集者の奏。話も価値観も合い、最高の夜になるはずが、彼の独りよがりな振る舞いに幻滅し、「このヘタクソ!」と罵って別れてしまう。ところが数日後、取材で訪れた空港で密着する男性CAとして現れたのは、あの恒生だった……。仕事に全力な大人二人の、恋の始め方です。
基本情報
| 著者 | 川琴ゆい華 |
|---|---|
| 発売日 | 2021/08/01 |
| ページ数 | 271ページ |
| 評価 | 4.6 |
| スコア | 89 |
口コミ
- 恋の始まりのふわふわした駆け引きの描き方がうまく、冷静な年上受けと年下ワンコ攻めの組み合わせがたまらないという声が多くありました。
- 男性CAという珍しいお仕事の描写や、忙しい二人のすれ違いと甘い日々のバランスが好評です。緒花さんの表紙も美しいと評判です。
- 受けに可愛げが感じられなかった、台詞回しがくどいという声がありました。
事件現場はロマンスに満ちている (神香うらら)
ポイント 崖っぷちのロマンス作家と、非番の刑事(海外が舞台)
デビュー作以外まったく売れず、崖っぷちのロマンス作家・雨音。担当編集にはダメ出しされ、立ち寄った店では強盗に遭遇と、災難続きの彼を救ったのは、非番の刑事ワイアットだった。気安く食事に誘ってくる、少しも好みではないはずの男を、雨音は新境地開拓のため、こっそりヒーローのモデルにすることに……。ロサンゼルスを舞台にした、刑事とロマンス作家のシリーズ第1作です。
基本情報
| 著者 | 神香うらら |
|---|---|
| 発売日 | 2023/05/01 |
| ページ数 | 315ページ |
| 評価 | 4.5 |
| スコア | 87 |
口コミ
- 海外ドラマのような軽快な展開と、事件を追いながら二人の距離が縮まっていく構成が楽しいという声が多くありました。
- 繊細で癖の強い受けを、思いやりとおおらかさで包むワイアットがナイスガイだと評判です。柳ゆとさんのイラストも好評です。
- 受けの設定が盛りだくさんすぎて、引っかかったという声がありました。
- 受けの女装の場面があるので、苦手な方は注意が必要です。事件の捜査の描写が甘いという意見もあります。
色悪作家と校正者の結婚 (菅野彰)
ポイント 傲慢な小説家と頑固な校正者のシリーズ完結巻
紆余曲折を経て、互いを生涯の伴侶に選んだ作家の大吾と校正者の正祐。「結婚」を決めた二人は、大切な人たちにそのことを伝えていくが、思いがけない波乱が待っていて……。菅野彰の「色悪作家と校正者」シリーズの完結巻です。
基本情報
| 著者 | 菅野彰 |
|---|---|
| 発売日 | 2024/05/01 |
| ページ数 | 349ページ |
| 評価 | 4.9 |
| スコア | 89 |
口コミ
- シリーズを通して変わっていった二人が、周りの人々に祝福されて結ばれる最終巻に感無量だという声がとても多くありました。
- 同性同士の結婚をめぐる現実をきちんと織り込み、安易な和解にしない誠実な描き方が胸を打つと評判です。本や文学をめぐる会話や、正祐の家族の温かさも好評です。
- 大吾の母親をめぐる場面がつらく、読んでいて苦しかったという声がありました。
猫屋敷先生と縁側の編集者 (砂原糖子)
ポイント ファッション誌から文芸誌に移った編集者と、超遅筆のベストセラー作家
華やかなファッション誌から、畑違いの文芸誌へ突然異動になった編集者・晶川。担当を任されたのは、ベストセラー作家ながら超遅筆で知られる本屋敷平だった。足しげく通っても、猫だらけの家の縁側で居眠りしてばかりの不遜な男。なんとか原稿を取って部員たちを見返したい――。ところがある夜、迷い込んだゲイバーで本屋敷と鉢合わせしてしまい……。作家と編集者の恋を描くお仕事ラブストーリーです。
基本情報
| 著者 | 砂原糖子 |
|---|---|
| 発売日 | 2017/01/01 |
| ページ数 | 331ページ |
| 評価 | 4.4 |
| スコア | 86 |
口コミ
- わがままで俺様に見えて実は素直な年下攻めの本屋敷がかわいいと評判です。晶川を好きだと自覚してからの変わりようや、どこかずれた受け答えを楽しんだという声が多くありました。
- 大きな事件は起きなくても、猫だらけの家と陽だまりの縁側の日常がほのぼのと心地よいと好評です。笠井あゆみさんのイラストも素敵だという声があり、当て馬の作家・犬明のスピンオフを楽しみにする人もいました。
- 原稿をもらうために晶川が体を差し出すような始まりの関係が、読んでいてしんどかったという声が多くありました。
- 全体に平和すぎて物足りない、当て馬があまり波風を立てず拍子抜けだったという意見もあります。
小説家・脚本家の恋
もう恋なんてする気はなかった (月村奎)
ポイント 自作のドラマ化で、推しの若手俳優が主演に
過去の恋でひどく傷つき、もう恋はしないと決めていた中堅小説家の夏川晴樹。自作のドラマ化が決まり、主演はなんと推しの若手人気俳優・三島鼓太郎だった。対談企画で出会った鼓太郎は、実は晴樹の作品の長年のファンで、人懐っこく距離を詰めてきて……。『ずっとここできみと』のスピンオフで、大人のセカンドラブです。
基本情報
| 著者 | 月村奎 |
|---|---|
| 発売日 | 2022/10/01 |
| ページ数 | 221ページ |
| 評価 | 4.6 |
| スコア | 88 |
口コミ
- 天然で屈託のない大型ワンコのような攻めに、心を閉ざしていた受けが少しずつほぐされていく過程が丁寧だという声が多くありました。
- 軽妙な会話が楽しく、ひどい人が出てこないので安心して読めると評判です。スピンオフですが、前作を読んでいなくても楽しめます。
- 書き下ろしが少なく、ボリュームが物足りないという声がありました。
- 受けの生い立ちや過去の恋のトラウマの回収があっさりしているという意見もあります。
恋愛小説家は恋が不得意 (月村奎)
ポイント 恋愛小説家ユニットの相方への、長年の片想い
同じ学校にずっと通い、上京後のマンションまでなぜか一緒の夏生と洸史郎。陽気な人気者の洸史郎と、根暗でひとりぼっちの夏生は、特に親しかったわけでもない。なのに大学時代にひょんなことから恋愛小説家ユニットを組み、気づけば六年。ビジネスパートナーの洸史郎への恋心を長年抱えてきた夏生は、実はその想いを小説のネタにしていた――。幼なじみで同い年の二人の、両片想いこじらせロマンス。
基本情報
| 著者 | 月村奎 |
|---|---|
| 発売日 | 2023/10/10 |
| ページ数 | 224ページ |
| 評価 | 4.3 |
| スコア | 83 |
口コミ
- 長年の両片想いがじれったくも可愛く、「月村先生の書く両片想いは最高」という声がとても多くありました。受け視点なのに、攻めの激重な想いが読者にはばればれなのが楽しいと評判です。
- 痴話喧嘩に巻き込まれる元同級生のパティシエがいいアクセントになっています。木下けい子さんのイラストも作品に合っていると好評です。
- あらすじで両片想いだと明かされているので、先の展開がわかってしまうのが残念だという声がありました。
- 感情の揺れが小さく、よくある流れで物足りない、受けの言動に共感できなかったという意見もあります。
エンドロールは100年後 (月村奎)
ポイント スランプ中の脚本家が、田舎の家で出会ったもの
絶賛スランプ中の脚本家・怜久は、相続した田舎の家に逃げるように引っ越してきた。ところが到着早々、空き家の庭で困ったものを見つけてしまう。藁にもすがる思いで頼ったのは、昼は便利屋、夜はカフェを営む蔵乃介だった――。便利屋と脚本家の、大人のスライス・オブ・ライフです。
基本情報
| 著者 | 月村奎 |
|---|---|
| 発売日 | 2025/05/01 |
| ページ数 | 221ページ |
| 評価 | 4.2 |
| スコア | 82 |
口コミ
- 田舎暮らしのあるあるや、虫やヤモリに怯える都会育ちの受けの姿に笑いながら、のんびりした日常に癒されるという声がとても多くありました。
- つらい過去を乗り越えて穏やかに生きる、頼れる便利屋の攻めが素敵だと評判です。読み終えてからタイトルの意味がじわじわ効いてくるという感想もありました。
- 大きな事件は起こらないので、物足りなく感じる人もいるようです。
- 受けの脚本家としての仕事の結末が、最後にさらっとまとめられているのが惜しいという声もありました。
百五十年ロマンス (遠野春日)
ポイント 旧家の当主でベストセラー作家が、祖先のルーツをたどる
由緒ある旧家の当主で、若きベストセラー作家の楡崎。ある日、祖先のルーツをたどるテレビ番組への出演依頼が舞い込む。タレント扱いに苛立ちながら資料を読むうち、うたた寝から目覚めると、そこはクラシカルな列車の中。なんと19世紀のイギリスにタイムスリップしていた! 呆然とする楡崎の前に現れたのは、目を見張るほどの美貌の英国紳士ケネス。まるで待ち構えていたかのように歓待されて……。
基本情報
| 著者 | 遠野春日 |
|---|---|
| 発売日 | 2022/03/01 |
| ページ数 | 261ページ |
| 評価 | 3.6 |
| スコア | 77 |
口コミ
- 19世紀ロンドンの街並みや暮らしの描写に雰囲気があり、うっとりするほどロマンチックだという声が多くありました。祖先の秘密の恋をたどる謎解きもあり、ミステリーとしても読み応えがあります。
- 後半は、30年前の東京を舞台に高○時代の同級生の死の謎を追う続編です。恋人になる前と後、二人の関係の違いを楽しめると評判です。
- 謎解きと恋模様の兼ね合いが合わなかったという声がありました。
- 他人の悲恋が物語のきっかけになっているため、読後感が少し物悲しいという意見もあります。
アイドルの再就職先について考えてみようか (海野幸)
ポイント 売れないアイドルと、厳しく的確な元脚本家
結成二年目のアイドルグループが、人気低迷で解散の危機に。最年長なのに人気は最下位のリーダー・智也は、グループが売れないのは役者志望で中途半端な自分のせいではないかと悩んでいた。そんなある日、ライブ会場で元脚本家の古條と出会う。強面で智也に興味もなさそうなのに、人気がない理由を厳しく的確に指摘してきて――思わず智也は「俺が売れる方法ないですか!!」と頼み込んで……。
基本情報
| 著者 | 海野幸 |
|---|---|
| 発売日 | 2026/07/01 |
| ページ数 | 355ページ |
| 評価 | 4.7 |
| スコア | 84 |
口コミ
- 表現に関わる人たちの悩みや、自分らしさを模索する姿が丁寧に描かれ、背中を押されたという声が多くありました。「他人に理解されない理由で夢を目指して何が悪い」という台詞が胸に刺さったという感想も。
- グループの5人それぞれのキャラクターが立っていて、アイドルがブレイクするまでのお仕事ものとしても面白いです。挿絵も華やかです。
- 主人公が周りの意見を聞かずに自分のアイデアに固執する理由がわからない、という声がありました。
- 二人の関係が恋愛に発展する部分がやや不自然で、恋愛要素は控えめです。
悩める小説家のための怪異デート (海野幸)
ポイント ホラー小説家と、怪異を腹に飼うお人好し。人気作の続編
ホラー小説家の御影と恋人になって一か月あまり。御影に取り憑いていた怪異「夢子」は友春のお腹の中でおとなしくなったものの、その影響か御影はスランプに陥ってしまう。ネタ探しのホラーイベントに同行した友春に、新たな怪異が忍び寄って……。『良き隣人のための怪異指南』の続編です。海野幸の作品です。
基本情報
| 著者 | 海野幸 |
|---|---|
| 発売日 | 2024/10/01 |
| ページ数 | 235ページ |
| 評価 | 4.6 |
| スコア | 84 |
口コミ
- 日常にじわじわ入り込む怪異が怖く、恋人になったばかりの二人の遠慮やすれ違いと怪異が見事に絡み合っているという声が多くありました。
- 包容力のある大人の御影が、友春の前でだけ見せる可愛い一面が好評です。怪異にまで優しいお人好しの友春も人気で、続編を望む声が多い作品です。
- 前作より怖さが控えめで、夢子の活躍が少なかったのが残念だという声がありました。
ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱 (菅野彰)
ポイント 実力派の作家と、文壇きっての「おバカ作家」の一夜から
実力も人気も兼ね備えた作家・白洲。ある晩深酒をした彼は、文壇きっての「おバカ作家」と呼ばれる伊集院宙人と一夜を過ごしてしまいます。およそ接点のなさそうな二人の関係は、そこから思いもよらない方向へ動き出して……。鎌倉の古い洋館で孤独に生きてきた白洲の過去と、彼を照らす宙人のまっすぐさを描く、「色悪作家と校正者」シリーズのスピンオフです。
基本情報
| 著者 | 菅野彰 |
|---|---|
| 発売日 | 2020/09/01 |
| ページ数 | 254ページ |
| 評価 | 4.5 |
| スコア | 86 |
口コミ
- 意外な組み合わせなのに、読むうちに不思議としっくりくる二人だと好評です。おバカに見えて人の本心を察する宙人の明るさが、こじらせた白洲を救う展開に胸を打たれたという声が多くありました。
- 『銀河鉄道の夜』や『春琴抄』などの文学作品を重ねて進む構成が巧みで、本編の二人の読書談義も楽しめると評判です。白洲と「お兄ちゃん」との切ない関係にも注目が集まりました。
- 内容が難しく、なぜ「お兄ちゃん」ではだめなのかわからなかったという声がありました。
- 続編の『ドリアン・グレイの禁じられた遊び』と合わせて読まないと話が完結しないという意見もあります。
小説家先生の犬と春 (砂原糖子)
ポイント 締め切りを必ず守る売れっ子小説家が、思わぬ相手に振り回される
見栄えのする美男で、締め切りは必ず守る売れっ子小説家の犬明。担当編集への気遣いも欠かさないスマートな彼が、思わぬ事故で骨折し、締め切り破りの危機に陥ってしまう。そんなとき偶然再会したのが、かつての恋人の弟・春だった。春を住み込みのアシスタントとして雇うことになり、愛犬ベスとの三人暮らしが始まって……。『猫屋敷先生と縁側の編集者』に登場した犬明が主役のスピンオフです。
基本情報
| 著者 | 砂原糖子 |
|---|---|
| 発売日 | 2020/08/01 |
| ページ数 | 317ページ |
| 評価 | 4.3 |
| スコア | 84 |
口コミ
- 完璧で大人の余裕を見せていた犬明が、春のことになると嫉妬深くなるギャップにときめいたという声が多くありました。長く想いを抱いてきた春の一途さが切ないと好評です。
- 愛犬のベスや一時預かる子猫のリーが可愛く、癒やされるという感想が目立ちます。前作の二人が時々顔を出すのも楽しいと評判です。
- 笠井あゆみさんのイラストが美しく、口絵も素晴らしいという意見があります。
- 春のキャラクターがつかみにくく、付き合ってからも卑屈すぎて魅力が伝わらなかったという声がありました。
- 犬明が春を好きになる流れが唐突に感じた、春がなぜあのアルバイトをしていたのか分からないという意見もあります。
拝啓、百年先の世界のあなたへ (中原一也)
ポイント 挫折した元小説家の前に、百年後の世界から王子が現れる
一度は小説家としてデビューしたものの挫折し、フリーター暮らしを続けていたなつめ。ある夜、彼の前に金髪碧眼の王子様のような男が現れ、「執事型アンドロイドのキースです」と名乗ります。未来に生きるなつめの子孫が、筆を折った彼にもう一度小説を書かせるために送り込んだというのです……。百年の時を隔てたアンドロイドと小説家の、切ない純愛を描く物語です。
基本情報
| 著者 | 中原一也 |
|---|---|
| 発売日 | 2020/09/01 |
| ページ数 | 279ページ |
| 評価 | 4.6 |
| スコア | 88 |
口コミ
- 何よりエピローグが素晴らしく、なつめが百年先へ宛てた手紙に号泣したという声が非常に多くありました。この結末のためにそれまでがあると感じたという感想もあります。
- 感情を知らなかったキースが、なつめや飼い猫たちと暮らすうちに人間らしくなっていく様子が丁寧に描かれていると好評です。キースとの日々を通して、なつめが再び書き始め成長していく姿も評判です。
- 作家仲間の真島やなつめの姉など周りの人たちも温かく、繊細で美しい文章に引き込まれたという声がありました。
- 恋愛描写の場面が多くて物語の流れを妨げた、なくてもよかったという意見がありました。
- タイムスリップの仕組みや解決の仕方が平凡、中盤が少しドタバタしたという声もあります。
幸せならいいじゃない (久我有加)
ポイント 仕事に煮詰まった人気脚本家と、コンビニでバイトする大学生
仕事に煮詰まり気味の人気脚本家・湯澤直登は、近所のコンビニでバイトをする大学生の北見と言葉を交わすようになる。野菜もとらずにおにぎりばかり買う直登を心配した北見は、実家が町の食堂という腕前で手料理を振る舞うことに。年下の素直さと強情さにほだされ、二人の想いは通じ合うが、どちらも相手をリードしたいタイプだったことから攻防が始まって……。年の差カップルの甘いラブコメです。
基本情報
| 著者 | 久我有加 |
|---|---|
| 発売日 | 2016/09/01 |
| ページ数 | 233ページ |
| 評価 | 4.4 |
| スコア | 87 |
口コミ
- 年上が年下を可愛がるだけでなく、お互いにかわいいと想い合っているのが伝わってほっこりしたという声が多くありました。北見が作る和惣菜がおいしそうだと好評です。
- 後半の北見視点がとても甘く、やきもちを焼いて甘える年上の直登が可愛いと評判です。仕事も勉強もきちんとしている二人に好感が持てるという意見もあります。
- おおやかずみのイラストが可愛くて素敵だという声がありました。付き合って数年たっても微笑ましい二人が描かれているのも好評です。
- 刊行から年月がたっているため、ステレオタイプな人物描写など今の感覚では気になる価値観があるという声がありました。
- 事件が起きずただただ甘いので、読後の物足りなさを感じたという意見もあります。
音楽・手仕事のアーティスト
バイオリニストの刺繍 (砂原糖子)
ポイント スランプの天才バイオリニストと、耳の聞こえない刺繍作家
スランプに陥った天才バイオリニストの館原は、逃げるようにやってきた軽井沢で、ひとり静かに暮らす刺繍作家の吹野と出会う。正体を隠して彼の家に住み着くうち、耳の聞こえない吹野の寂しさに触れ、館原は次第に惹かれていくが……。
基本情報
| 著者 | 砂原糖子 |
|---|---|
| 発売日 | 2021/06/01 |
| ページ数 | 267ページ |
| 評価 | 4.3 |
| スコア | 82 |
口コミ
- 音を奏でる人と音のない世界に生きる人が、すれ違いながらも少しずつ近づいていく過程が切なく美しいという声が多くありました。読み終えてからタイトルが心に沁みると評判です。
- 軽井沢の静かな冬の情景と、館原の目を通した音楽的な描写が魅力です。続編『オリオンは恋を語る』もあります。
- 受けの吹野がツンツンしていて気持ちがわかりにくく、好感が持てなかったという声がありました。
- 甘さは控えめで、もどかしさを楽しめるかどうかで評価が分かれそうです。
君と暮らせば (安西リカ)
ポイント シェアハウスに残ったクラフト作家と、年下の会社員
学生時代から住んでいたシェアハウスで、最後の住人同士になったクラフト作家の小糸と、年下の会社員・八木。同居人の八木への想いが恋に育たないよう、小糸は必死に心を抑えていた。ところがそんなある日、家主の孫だという男が突然帰国して……? 年下攻めのスロー・ラブ。
基本情報
| 著者 | 安西リカ |
|---|---|
| 発売日 | 2024/12/01 |
| ページ数 | 221ページ |
| 評価 | 4.4 |
| スコア | 85 |
口コミ
- 二人きりのシェアハウスでの穏やかな暮らしぶりが居心地よく、朝ごはんやストーブのおでんなど、日常の描写に癒されるという声が多くありました。
- 前半は受け、後半は攻めの視点で描かれ、年下攻めの小糸への想いがよくわかると評判です。途中のちょっとしたサスペンス展開と、思いがけない真相も好評でした。
- 受けを振った相手へのざまぁがもう少し欲しかったという声がありました。
- 日常のほのぼのした雰囲気と官能的な場面の落差に違和感があった、紆余曲折が少なく地味だという意見もあります。
彼は恋を止められない (安西リカ)
ポイント つらいときに寄り添ってくれた、年下の劇伴作家と同棲
いちばんつらいときに寄り添ってくれた年下の恋人で、劇伴作家の雪郷と同棲を始めた蒼。けれどお互いに遠慮があって、二人の恋はまだどこかぎこちない。そんな矢先、海外から戻ってきた蒼の元恋人が、よりを戻そうと近づいてきて……? やきもちやきとさみしがりやの、やさしい恋の物語です。
基本情報
| 著者 | 安西リカ |
|---|---|
| 発売日 | 2021/08/01 |
| ページ数 | 222ページ |
| 評価 | 4.4 |
| スコア | 85 |
口コミ
- 大きな事件はないのに、遠慮し合う二人が少しずつ本音を見せ合っていく過程に引き込まれるという声が多くありました。はじめての口喧嘩を喜ぶ場面が微笑ましいと評判です。
- 稼ぎも才能もあるのに自信がなく、受けを大切にしすぎる年下攻めが魅力的です。前半は受け、後半は攻めの視点で描かれます。
- 元恋人に振り回される受けの煮え切らなさに、もやもやしたという声がありました。
- ドラマチックな展開はなく、あっさりしていて退屈に感じた人もいるようです。
内気な黒猫は幼なじみに愛される (伊勢原ささら)
ポイント 祖母の古書店を継いだ、猫と話せる店主
祖母から受け継いだ古書店「黒猫堂」を営む猫美には、猫と話せるという不思議な力があった。その力を生かして迷い猫探しや困りごとの相談も引き受けているが、引っ込み思案で人づきあいが苦手。話し相手は猫と、幼なじみの陽平だけだ。社交的で人気者の陽平が、どうして子どもの頃からずっと友達でいてくれるのか、猫美には不思議で仕方がない。そんなある日、「猫屋敷」と呼ばれる家について気になる情報が入って……。
基本情報
| 著者 | 伊勢原ささら |
|---|---|
| 発売日 | 2025/01/20 |
| ページ数 | 317ページ |
| 評価 | 4.1 |
| スコア | 81 |
口コミ
- 猫と飼い主、猫同士の温かいエピソードに泣けるという声が多く寄せられています。猫が好きな人に特におすすめです。
- 断られても変わらず猫美に尽くし続ける、幼なじみの一途さに胸がきゅんとします。勇気を振り絞って気持ちを伝える場面は感動的です。
- 内気でうじうじした主人公に、いらいらしたという声がありました。攻めがそこまで惹かれる理由に説得力がほしかったという意見もあります。
セカンドクライ (尾上与一)
ポイント 描くものを見失った画家と、兄が遺した秘書見習いの再生の物語
実家と縁を切り、駆け出しの画家としてその日暮らしをしていた桂路。亡くなった兄が遺したのは、とんでもない「遺産」だった。兄が目をかけていた秘書見習いの慧と、古い洋館で一緒に暮らすこと――。愛情を知らずに育ち、自分の望みがわからない慧と、描くものを見失った画家。生きづらさを抱えた二人が、互いを補い合っていく再生の物語です。
基本情報
| 著者 | 尾上与一 |
|---|---|
| 発売日 | 2023/02/01 |
| ページ数 | 261ページ |
| 評価 | 4.3 |
| スコア | 83 |
口コミ
- 欠けたもの同士が少しずつ補い合っていく過程が丁寧で、じんわり温かい読後感だという声が多くありました。
- 後半の慧視点で彼が人間らしくなっていく姿に泣けたという感想があります。兄が遺した手紙やノート、堅物な秘書・緒川さんも好評で、草間さかえさんのイラストが物語の雰囲気に合っていると評判です。
- 重めでしんどい話だったという声がありました。
- 二人の関係が刷り込みのように見える、亡き兄の掌の上のようでもやもやするという意見もあります。
鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰? (小中大豆)
ポイント 天才写真家と、その「ミューズ」に選ばれた元アイドルのモデル
売れない元子役のアイドルだった永利は、クビ寸前のところを完璧主義の天才写真家・紹惟に見出され、一夜にしてトップモデルへと転身する。紹惟のモデルは代々「ミューズ」と呼ばれ、撮影の間だけ彼の寵愛を一身に受ける存在。求めれば応えてくれても、紹惟は決して想いを返してはくれない。深入りして疎まれることを恐れたまま、十年――。ついに、新しいミューズが現れて……。芸能界を舞台にした、白雪姫をモチーフとするお仕事ラブストーリーです。
基本情報
| 著者 | 小中大豆 |
|---|---|
| 発売日 | 2020/11/01 |
| ページ数 | 291ページ |
| 評価 | 4.6 |
| スコア | 90 |
口コミ
- 十年間想いを隠し続ける永利の恐れや依存、報われない片想いの切なさに胸が痛くなったという声が多くありました。すれ違いの末に想いが通じる結末にほっとしたと評判です。
- 恋愛と仕事のバランスが良く、永利が自分の力で殻を破り、役者として開花していく姿が気持ちいいという感想があります。お仕事ものとしても好きになったという声もありました。
- みずかねりょうさんの挿絵が美しいと好評です。続編では新たな共演者との関わりを通して永利がさらに成長し、二人の物語が完成したと評判です。
- 紹惟が言葉足らずで、ほかの相手とも関係を持っていたことにモヤモヤした、十年のうち一途だったのは直近の一年だけかという意見が多くありました。
- 永利が卑屈すぎて魅力を感じにくい、紹惟の告白があっさりしすぎていたという声もあります。
ピアノマンは今宵も不機嫌 (水原とほる)
ポイント ジャズバーの不機嫌なピアニストと、その音に惹かれた広告マン
取引先に連れられて入ったジャズバーで、初めて聴いたジャズピアノの激しい音色に強く惹かれた広告マンの史也。演奏していたのは、天涯孤独で工事現場のバイトもかけもちする医学部生の泰介だった。「ピアノは学費を稼ぐためだ」と言い切りながら、鍵盤に感情を叩きつけるように弾く泰介。演奏でしか自分を表せない彼の不器用さに気づいた史也は、バーに通い始めて……。大人の男たちの静かな恋を描く物語です。
基本情報
| 著者 | 水原とほる |
|---|---|
| 発売日 | 2017/10/01 |
| ページ数 | 237ページ |
| 評価 | 4.4 |
| スコア | 84 |
口コミ
- ジャズバーの喧騒やピアノの音色が伝わってくる臨場感があり、音楽を文字で表現する筆力に引き込まれたという声が多くありました。
- 仕事にも恋にも誠実に向き合う史也と、無骨で努力家の泰介が自然に距離を縮めていく大人の恋が好評です。ミドリノエバさんの挿絵も良かったと評判です。
- タイトルほどピアノマンは不機嫌ではなく、印象が違ったという意見が多くあります。
- 元恋人への史也の態度が気に入らなかった、起伏が少なく無難という声もあります。
彼は優しい雨 (水原とほる)
ポイント 雨宿りの教室で出会った、若手デザイナーと淡々とした講師
若手デザイナーの文彦は、雨宿りのために潜り込んだ大学の教室で、やる気のない学生を前に淡々と講義を続ける講師・久富と出会う。暇つぶしのつもりが、東欧の作家への情熱を静かに語る彼に好奇心をくすぐられてしまった。学生でないと気づいていながら聴講を許してくれる久富に惹かれ、文彦は何度も大学へ足を運ぶように。会うときはなぜかいつも雨――。過去に恋を犠牲にしてきた二人が、ゆっくりと愛を育んでいく大人の恋物語です。
基本情報
| 著者 | 水原とほる |
|---|---|
| 発売日 | 2019/04/01 |
| ページ数 | 235ページ |
| 評価 | 4.4 |
| スコア | 85 |
口コミ
- しとしと降る雨のように穏やかでしっとりした大人の恋が描かれ、読んでいると時間がゆっくり流れるようだという声が多くありました。
- 文彦の元恋人が現れた場面で、久富が静かな怒りとともに冷静に論破する姿がかっこいいと評判です。好きなことを仕事にしている二人が認め合う関係も心地よいという感想があります。
- 表紙・挿絵の美しさや、作品全体に漂う情緒を挙げる感想も目立ちました。
- 展開がスローで中だるみする、東欧文学の説明が多く興味がないと退屈かもしれないという意見がありました。
- 自分の魅力を自覚した積極的な文彦や、講義中の学生を注意しない久富の態度が好みに合わなかったという声もあります。
選ぶときのコツ
作家ものは、作中作や原稿のやりとりがどれだけ描かれるかで読み味が変わります。
『バイオリニストの刺繍』には続編の『オリオンは恋を語る』もあるので、気に入ったらあわせてどうぞ。
シリーズの読む順番は作品ページでも確かめられます。
