ディアプラス文庫は、新書館が出しているBL小説の文庫レーベルです。
小説誌「小説ディアプラス」に掲載された作品に、書き下ろしを加えて文庫にしたものが多く、現代の日常を舞台に、恋をする気持ちの揺れをじっくり描いた作品が揃っています。
どんな作品が多い?
- 大きな事件より、日常の中の恋を丁寧に描いた作品
- 両片想いや再会愛など、気持ちのすれ違いと歩み寄りを味わう物語
- 受けと攻め、二人の視点で描かれる構成
- 時代ものや伝奇ものなど、作家の個性が光る長編シリーズ
口コミでは「派手さはないのに引き込まれる」「疲れているときに読みたい」という声が多く見られます。
一方で、将軍と男の御台所の恋を描く『華は褥に咲き狂う』シリーズのように、スケールの大きな物語も人気です。
口コミで評判の作品
恋をしていたころ (安西リカ)
ポイント 記憶をなくした元恋人と七年ぶりに再会する、大人の再会愛
建築事務所で働く一葉には、胸の痛みとともに封印してきた、生涯でただ一人の同性の恋人がいた。七年ぶりに連絡してきたその彼・仁科は、事故の影響で、恋人だった日々の記憶を失っていて……? 才能の差に苦しんで別れを選んだ一葉と、記憶をなくしても再び一葉に惹かれていく仁科の、大人の再会愛です。
基本情報
| 著者 | 安西リカ |
|---|---|
| 発売日 | 2021/04/01 |
| ページ数 | 223ページ |
| 評価 | 4.6 |
| スコア | 89 |
口コミ
- 記憶をなくしても、また一葉に恋をする仁科の姿に「運命としか言いようがない」という声が多くありました。七年の別離を経て成長した一葉が、今度こそ向き合う姿が胸に響きます。
- 記憶喪失はほどよいスパイスで、大人同士のしっとりとした再会愛として丁寧に描かれていると評判です。再会後の土砂降りの雨の場面に泣いたという感想も。柴犬のはちみつも可愛いです。
- 自分から振ったのに、相手があっさり受け入れたことを根に持ち続ける一葉に共感できなかったという声がありました。
- 大きな山場はなく、復縁が早めだという意見もあります。
ロマンチックバージョン (安西リカ)
ポイント 付き合っているのに片思いのような一年。じわじわ泣ける
玉砕覚悟でした告白を、あっさり受け入れられて綾瀬の恋人になった淳史。付き合いは不思議とうまくいっていたけれど、誰とも長続きしないと言う彼と付き合って一年。「タイムリミット」が気になり始めて……? 付き合っているのに、片思いみたい――安西リカさんが描く、切ないロマンスです。
基本情報
| 著者 | 安西リカ |
|---|---|
| 発売日 | 2025/07/01 |
| ページ数 | 221ページ |
| 評価 | 4.6 |
| スコア | 88 |
口コミ
- 大きな事件はないのに、じわじわと気持ちが近づいていく恋模様が切なく、何度も泣いたという声が多くありました。前半は受け視点、書き下ろしの後半は攻め視点という構成が好評です。
- 来る者拒まずだった攻めが、いつの間にか受けを手放せなくなっていく展開にニヤニヤが止まらないと評判です。家事が得意で一途な受けが健気で可愛いです。
- 当て馬が悪人として描かれるので、もっと本気の恋のライバルが見たかったという声がありました。
- 序盤の攻めの恋愛観が軽く、受け入れにくいという意見もあります。
恋愛小説家は恋が不得意 (月村奎)
ポイント 恋愛小説家ユニットを組む二人の、拗らせた両片想い
同じ学校にずっと通い、上京後のマンションまでなぜか一緒の夏生と洸史郎。陽気な人気者の洸史郎と、根暗でひとりぼっちの夏生は、特に親しかったわけでもない。なのに大学時代にひょんなことから恋愛小説家ユニットを組み、気づけば六年。ビジネスパートナーの洸史郎への恋心を長年抱えてきた夏生は、実はその想いを小説のネタにしていた――。幼なじみで同い年の二人の、両片想いこじらせロマンス。
基本情報
| 著者 | 月村奎 |
|---|---|
| 発売日 | 2023/10/10 |
| ページ数 | 224ページ |
| 評価 | 4.3 |
| スコア | 83 |
口コミ
- 長年の両片想いがじれったくも可愛く、「月村先生の書く両片想いは最高」という声がとても多くありました。受け視点なのに、攻めの激重な想いが読者にはばればれなのが楽しいと評判です。
- 痴話喧嘩に巻き込まれる元同級生のパティシエがいいアクセントになっています。木下けい子さんのイラストも作品に合っていると好評です。
- あらすじで両片想いだと明かされているので、先の展開がわかってしまうのが残念だという声がありました。
- 感情の揺れが小さく、よくある流れで物足りない、受けの言動に共感できなかったという意見もあります。
小説仕立てのラブレター (海野幸)
ポイント 従姉の「イタコ小説」が二人の選ばなかった未来を見せる
週末の居酒屋で、上司から見合いの打診があったと何気なく告げた光彦は、突然、親友の藤吾に告白される。藤吾のことは大事だが、恋の相手として見たことはない。丁重に断るものの、ふたりの未来を想像してみてほしいと請われ、書いたことが当たると評判の小説家の従姉に、自分と藤吾の物語を依頼するが……? 包容力のある攻めと生真面目な受けの、ミラクル・ロマンス。
基本情報
| 著者 | 海野幸 |
|---|---|
| 発売日 | 2023/10/10 |
| ページ数 | 256ページ |
| 評価 | 4.5 |
| スコア | 85 |
口コミ
- 従姉が書く「イタコ小説」を通して、二人の選ばなかった未来が見えてくるという構成が新鮮だという声が多くありました。作中作の最後の話は切なくて泣けると評判です。
- 受けが自分で気持ちに気づくのを待ち続ける、包容力のある攻めの深い愛に心打たれるという感想が目立ちます。家族の呪縛から解き放たれた受けの男前ぶりも痛快です。
- 両想いなのに、くっつくまでもくっついてからも二人が悩み続けるので、じれったいという声がありました。
- 前半の受け視点だけでは、受けの思考についていけなかったという意見もあります。
色悪作家と校正者の別れ話 (菅野彰)
ポイント 傲慢な小説家と頑固な校正者の、痴話喧嘩が楽しい人気シリーズ
「あなたとお別れしたく存じます」。喧嘩をしながらも付き合いは順調だったはずなのに、校正者の正祐の口からこぼれ出た別れの言葉。その真意とは――? 傲慢な小説家・東堂大吾と、頑固な校正者・塔野正祐の人気シリーズ第5弾。「別れ話」「同棲」と書き下ろしの「朝顔」を収録しています。
基本情報
| 著者 | 菅野彰 |
|---|---|
| 発売日 | 2021/08/01 |
| ページ数 | 265ページ |
| 評価 | 4.7 |
| スコア | 89 |
口コミ
- 別れ話を切り出した正祐の理由と、その解決策に大笑いしたという声が多くありました。痴話喧嘩に巻き込まれる先輩の篠田が不憫で面白いと評判です。
- ひとりで生きていくと思っていた正祐が、少しずつ情緒を育てていく姿に成長を感じるという感想が目立ちました。作中に登場する文学作品や、居酒屋・鳥八の料理とお酒も魅力です。
- 文学や歴史の蘊蓄が多く、登場人物の言いたいことがつかみにくい、難しいという声がありました。
- シリーズものなので、1作目から読むのがおすすめです。
華は褥に咲き狂う 8 (宮緒葵)
ポイント 将軍と男の御台所の色恋絵巻、壮大な完結巻
鬼讐丸の復活で、どうにか危機を脱した将軍・光彬。幕府に反旗を翻した佐津間藩と、荒ぶる神・玉兎の脅威から恵渡の民を守り、御台所・純皓との愛を貫くことができるのか――。壮大なスケールで展開する豪華絢爛な色恋絵巻、ついに完結です。
基本情報
| 著者 | 宮緒葵 |
|---|---|
| 発売日 | 2022/09/01 |
| ページ数 | 252ページ |
| 評価 | 4.8 |
| スコア | 88 |
口コミ
- 敵だった玉兎の真意を受け止め、味方にしていく光彬の包容力に感動したという声が多くありました。鬼讐丸との別れの場面に泣いたという感想も目立ちます。
- 主要な人物たちのその後まで描かれた、まさに大団円の結末だと評判です。「BLに収めるには惜しい壮大な歴史絵巻」という声もありました。
- 敵味方ともに多くの血が流れるハードな展開もあり、読み返すには気力が要るという声がありました。
- 勧善懲悪で、やや出来すぎに感じるという意見もあります。
メロウレイン(上) (一穂ミチ)
ポイント 『ふったらどしゃぶり』の二人のその後を描いた短編集
『ふったらどしゃぶり』の一顕と整のその後を描いた短編集の上巻です。「秋雨前線」「ハートがかえらない」などの短編に加え、スピンオフ『ナイトガーデン』の短編も収録。実写ドラマ化を記念して、特典ペーパーや掌編までまとめた完全版として文庫化されました。
基本情報
| 著者 | 一穂ミチ |
|---|---|
| 発売日 | 2025/01/01 |
| ページ数 | 248ページ |
| 評価 | 4.6 |
| スコア | 88 |
口コミ
- 恋人になった一顕と整の、なにげない日常のやりとりが愛おしく、読んでいて幸せな気持ちになれるという声が多くありました。
- 特典ペーパーやnoteで公開されていた小話まで一冊にまとまっていて、ファンにはたまらない内容だと評判です。竹美家ららさんの表紙は上下巻で一枚の絵になります。
- 本編『ふったらどしゃぶり』を読んでいないと話がわからないので、先に本編を読むのがおすすめです。
- 短い話が多く、官能的な場面も多めです。
作家ごとの案内は安西リカ・月村奎・川琴ゆい華の各特集をどうぞ。
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