黙々と手を動かす人の横顔には、言葉より多くのものが宿っている。
職人やものづくりの恋は、仕事に向き合う真剣さや、作ったものに込めた想いを通して、相手の心が少しずつ見えてくるのが魅力です。
不器用な職人が恋に戸惑う姿や、腕を認め合うところから始まる関係には、お仕事ものならではの読みごたえがあります。
スイスのオルゴール工房、宝石商や花屋まで、手仕事の世界をのぞける作品が揃っています。
こんな人におすすめ
- 工房や現場の空気が伝わる、お仕事ものの恋が好きな方
- 寡黙で不器用な職人の、まっすぐな想いにときめきたい方
- 宝石や花など、美しいものに囲まれた物語を読みたい方
工房と現場で育つ恋
御曹司は初恋を攫う (浅海ゆい)
ポイント スイスのオルゴール工房で働く見習い職人に、修理の依頼と再会が
スイスのオルゴール工房で見習い職人として働く詩音のもとに、高級時計ブランドのオーナー・史人がオルゴールの修理を頼みに訪れる。彼はかつて、引っ込み思案だった詩音の初めての友達。魅力的な大人の男になった史人は、思い出してほしくてと言っていきなり口づけてくる。十六年間ずっと詩音を想い続けてきたという彼の情熱は、止まったような詩音の日常を大きく揺らして……。初恋の再会を描くBLです。
基本情報
| 著者 | 浅海ゆい |
|---|---|
| 発売日 | 2016/04/01 |
| ページ数 | 237ページ |
| 評価 | 4.1 |
| スコア | 81 |
口コミ
- オルゴール職人という繊細な職業が受けのイメージに合っていて、お仕事の描写もしっかりしていると好評です。純真な詩音と策士の史人の組み合わせが良かったという声が多くありました。
- 詩音が史人にとっての宝物だと伝わってくると評判です。二人の過去のエピソードや、腹黒さがのぞく書き下ろしSSも好評でした。
- 序盤から攻めの腹黒さがにじみ出ているのが苦手だったという声がありました。
- SSが短く、もっと読みたかったという意見もあります。
魔性の男と言われています (中原一也)
ポイント 漆喰職人に拾われ、曲者ぞろいの職人の会社で見習いとして働く
地味な顔立ちなのに、なぜか男ばかりを惹きつけてしまう――母方の血筋に伝わる「魔性」の体質のせいで、行く先々で騒動が絶えない名波。仕事も住まいも失い、橋から身を投げようとした彼を引き止めたのは、漆喰職人の比嘉だった。「呪われた血なんて信じねえ」と言い切る比嘉に誘われ、曲者ぞろいの職人たちの会社で見習いとして働き始める名波。今度こそ穏やかな毎日を送れるのか……。職人の世界を舞台にしたお仕事BLです。
基本情報
| 著者 | 中原一也 |
|---|---|
| 発売日 | 2017/10/01 |
| ページ数 | 247ページ |
| 評価 | 4.4 |
| スコア | 86 |
口コミ
- 男が惚れる男として描かれる社長・比嘉の、懐の深さと男気が好評です。「女に恥かかすわけにはいかねぇ」といった台詞に痺れたという声が多くありました。
- 漆喰や左官の仕事ぶりがしっかり描かれ、お仕事ドラマとして面白いと評判です。せんべいをくれる「おいちゃん」など人情味のある職人仲間や、「スルメ」というあだ名も印象に残ったようです。
- 不器用でも努力して仕事を覚えていく名波の成長が応援したくなると好評です。草間さかえさんのイラストが作品に合っているという声もあります。
- 後半はしつこいストーカーとの攻防が中心になり、怖さが目立つという意見があります。
- 名波に「魔性」らしさをあまり感じない、比嘉の魅力を周りが語りすぎて出来すぎに見えるという声もあります。
人狼彼氏と愛の蜜 (西門)
ポイント フリーのデザイナーが、北欧の家具メーカーのオーナーから仕事を受ける
人狼一族の青年・郷は、フリーのデザイナーとして暮らしている。一族の中でも特に鋭い嗅覚のせいで体調を崩したところを助けてくれたのは、印象的な瞳を持つ男性だった。不思議と心が落ち着く彼の甘い匂い。その人・ルーカスは北欧の家具メーカーのオーナーで、日本での出店にあたり郷に仕事を依頼し、友達にもなってほしいという。温かな人柄に惹かれていく郷だったが、二人にはそれぞれ明かせない秘密があって……。『束縛彼氏と愛の罠』のスピンオフです。
基本情報
| 著者 | 西門 |
|---|---|
| 発売日 | 2020/06/18 |
| ページ数 | 270ページ |
| 評価 | 4.2 |
| スコア | 83 |
口コミ
- 人狼としての力が弱く自信のなかった郷が、ルーカスに深く愛されることで自分を肯定できるようになる姿が良かったという声が多くありました。
- 別種族の人狼同士のロマンチックな運命の出会いに、スリリングな展開や逆転劇もあり、官能度も高めで満足度が高いと好評です。前作だけ読まなくても違和感なく楽しめるという意見もあります。
- シリーズの途中でイラストレーターが金ひかるに代わり、登場人物のイメージと挿絵が合わなかったという声が多くありました。
- 前作と同じく大事なことを説明せずに離れてしまう展開がもどかしい、話がご都合主義だという意見もあります。
宝石と花が結ぶ恋
青龍の虜 (つばき深玲)
ポイント ジュエリーデザイナーのもとへ、身の回りの世話をする名目で潜り込む
上司の大切な宝石が盗まれ、秘書の名波は容疑者であるジュエリーデザイナー・須賀のもとへ送り込まれる。偽りの告白で近づき、身の回りの世話をしながら探りを入れるうち、傲慢そうに見えて実は優しい須賀に心を奪われていく名波。けれど、自分がスパイだと見破られてしまい……。嘘から始まる恋を描く、作者のデビュー作です。
基本情報
| 著者 | つばき深玲 |
|---|---|
| 発売日 | 2014/09/01 |
| ページ数 | 223ページ |
| 評価 | 4.4 |
| スコア | 85 |
口コミ
- 騙し騙されの展開が予定調和にならず、ミステリーのような面白さで一気に読めたという声が多くありました。
- ジュエリーデザインやインドでの宝石の買い付けなど、お仕事ものとしての描写が好評です。須賀からもらったルビーの原石を眺める名波の姿が可愛いという感想もあります。
- 受けが攻め以外の相手に無理強いされる場面があり、苦手な人は注意が必要だという意見がありました。
- 恋に落ちるのがやや安直、本物と複製の宝飾品のくだりがわかりにくかったという声もあります。
宝石紳士と甘い初恋始めました (金坂理衣子)
ポイント 行き倒れ寸前の宝石商の兄弟を、食堂で働く青年が助ける
祖母と営む庶民的な食堂で働く歩夢は、空腹で行き倒れ寸前だった宝石商の兄弟、大誠と慧介に食事をふるまう。美味しそうに食べてくれる二人、なかでも顔立ちも心根も美しい慧介の姿は、夢を持たずに働きづめの歩夢にはまぶしすぎて気後れするばかり。ところが歩夢に恋をした慧介は、なんとか気を引こうとあの手この手で甘やかしはじめて……。美味しいご飯と宝石が彩る、甘い初恋の物語です。
基本情報
| 著者 | 金坂理衣子 |
|---|---|
| 発売日 | 2019/05/17 |
| ページ数 | 318ページ |
| 評価 | 4.0 |
| スコア | 80 |
口コミ
- 慧介が歩夢を一途に想い、紳士的にふるまいながら待ち続ける姿が微笑ましく、最初から最後まで甘いと好評です。鈍感な歩夢の斜め上の返しが可愛いという声も多くありました。
- 美味しそうな料理と宝石のうんちくが楽しく、ペリドットにまつわる結末に感動したという意見もあります。慧介の兄の大誠が男前で、スピンオフを望む声も目立ちました。
- 歩夢が鈍感すぎる、物語の起伏が少なく二人が惹かれ合う理由に説得力がないという声がありました。
- 慧介の口調や甘え方が好みに合わない、宝石の説明が話になじんでいないという意見もあります。
S社長と愛されすぎな花彼氏 (小中大豆)
ポイント 花屋で働く主人公と、本心を隠した策士の社長のすれ違いラブコメ
花屋で働く勇児が昔から憧れてきたのは、幼なじみで今は若き社長となった秀。「好きな相手ほど意地悪したくなる」と聞いていたのに、再会した彼はなぜか自分にだけ優しくて、それがかえって勇児を落ち込ませる。ところが秀の言葉の裏には、とんでもない本心が隠されていて……。策士の攻めが自分のまいた種に振り回される、小中大豆のラブコメディです。
基本情報
| 著者 | 小中大豆 |
|---|---|
| 発売日 | 2017/01/01 |
| ページ数 | 223ページ |
| 評価 | 4.3 |
| スコア | 85 |
口コミ
- 意地悪な嘘を重ねた攻めが、終盤に次々としっぺ返しを受ける「攻めザマァ」の展開が痛快だという声が多くありました。受けが正論で突き放す場面が爽快だと好評です。
- 紳士の仮面がはがれていく秀の残念ぶりに笑った、情けなく追いすがる姿がかわいいと評判です。勇児の的確なツッコミや、部下の楠本の当て馬ぶりも楽しいという声がありました。
- 秀の性格の悪さや偏った愛情表現にどうしても引いてしまった、魅力がわからなかったという意見があります。
- 最後の数十ページで駆け足に種明かしされる、嘘の理由づけが強引に感じたという声もありました。
雪豹公爵としっぽの約束 (成瀬かの)
ポイント 花屋を開く夢のため、化け物屋敷と噂される館の管理人を引き受ける
獣人が暮らす大正ロマン風の帝都。両親はウサギの獣人なのに、ヒトの姿で生まれたために冷たい目を向けられてきた青年は、花屋を開く夢のため、化け物屋敷と噂される館の管理人を引き受ける。そこで出会ったのは、神出鬼没の希少種・雪豹。世話をするうちにすっかり懐いた雪豹は、ある日、美しい貴族の姿に変わって彼の前に現れて……。雪豹公爵と屋敷の管理人の恋を描く、ケモ耳ファンタジーです。
基本情報
| 著者 | 成瀬かの |
|---|---|
| 発売日 | 2017/10/01 |
| ページ数 | 222ページ |
| 評価 | 4.3 |
| スコア | 85 |
口コミ
- みずかねりょうさんの描く雪豹がリアルでかわいく、かっこいいと絶賛する声が多くありました。もふもふ好きにはたまらないと評判です。
- つらい境遇でも自分の力で生きようとする健気で芯の強い主人公が好評です。花を生み出す魔法や市場の人々など、和洋が混ざった大正風の世界観も魅力だという意見があります。
- 姿を見せないまま神棚のお供えを食べに来たり、耳をしょんぼりさせたりする雪豹の公爵がかわいいという声もあります。
- 結末がわかりにくい、攻めがいつ受けに惹かれたのかはっきりしないという声がありました。
- 大正風なのに現代的な言葉が出てくる、恋愛面が少し物足りないという意見もあります。
選ぶときのコツ
職人ものは、仕事の場面がどれくらい丁寧に描かれるかで印象が変わります。
手仕事の描写を楽しみたい方は感想で「お仕事の描写がいい」「世界観が丁寧」という声がある作品を、恋のときめきを重視する方は「甘い」「一途」という声がある作品を選ぶのがおすすめです。
真白に綴る愛しさは (伊勢原ささら)
ポイント 和紙漉きの職人が紡ぐ、静かで温かな愛と再生の物語
傲慢なエリート商社マンだった高槻は、失脚をきっかけに会社を辞め、雪深い山奥のガラス工房で静かに暮らしていた。そこへ離婚した元妻が現れ、しばらく弟を預かってほしいと頼み込む。心の傷から声を出せず、ホワイトボードに文字を書いて話す弟の凜に、人づきあいの苦手な高槻はどう接していいかわからない。ぎこちない同居生活のなかで、二人は少しずつ心を通わせていき……。静かな山里を舞台にした、再生の物語です。
基本情報
| 著者 | 伊勢原ささら |
|---|---|
| 発売日 | 2020/03/18 |
| ページ数 | 287ページ |
| 評価 | 4.5 |
| スコア | 87 |
口コミ
- 不器用な高槻と、心を閉ざしていた凜が手探りで寄り添っていく過程が丁寧に描かれ、何度も涙したという声が多くありました。凜が声を取り戻す場面が感動的だと好評です。
- 信州の風景やとんぼ玉が物語に彩りを添え、周りの人たちもみな温かく、透明感のあるお話だと評判です。別れの場面で涙が止まらなかったという意見もあります。
- 後半の凜のふるまいが幼すぎて違和感があったという声がありました。
あわせて読みたい
書く人や描く人の恋は作家・アーティストが主人公のBL特集、料理やお菓子の職人の恋は料理・グルメのBL特集、働くヒロインの恋はお仕事TL特集にもまとめています。
